自己満足的自伝小説『寮無料、送迎有り、、。』
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第1話 出発の朝
上記クリックで「第1話 出発の朝」に進めます。目次、左サイド中程にもございます。もしお時間よろしかったら、どうぞ〜。

2009年05月15日

12 敬礼

 オレの下手な歌、でも安室くんと比嘉くんが盛り上がってくれて、楽しんでいると、今度は朝、挨拶に来てた阿部くんがやって来た。遠慮がちな阿部くんを3人は招き入れた。
『阿部誠と申します、どうぞよろしくお願いします』
『うえ〜、いいって、足、崩しなよ〜、ボクらもまだ3週間もたって無いんだから、』
『ダ〜か〜ラ比嘉、おめ〜が言う?、、でも正座で、一礼されっとなんっつーか、、、』
『あ、昼、食った〜?』『はい、売店の弁当を、、。』
『あ、そう〜、で、どうすっか?いきなり本題でいい、かな?』
『え、なにしたんすか?』



『お、なんだ〜ちょ〜っと興味あるし〜。』
『え、あの、お楽しみのとこ、お邪魔でし、、』
『いいからいいから、ここに来て〜。そんな隅っこに、、』
『え、と実は〜、、』
 研修初日、1/3程の人間が強制送還された。彼もまた、2ヶ月だけの仕事だと聞いてここへ来たのだと言う。やはり彼の研修でも結構な人数が返されてしまった事。自分は手を挙げなかった事。その事に罪悪感を感じている事等。で、
『自分は、市民を守る警察官、もしくは、レスキュー隊になりたいであります。』
3人、唖然、ビックリ。悩みを打ち明けてる最中ここだけは、いつも以上に胸はッて大きな、はっきりとした口調だ。
『春と秋に採用試験があるので、その前に貯金したかったんです。警察学校に行く前に、、。』
『なんだ、おれらも2ヶ月ッて言われて沖縄から来たんだけど、居たいだけ居て、辞めたくなったら辞めるよ〜!』
『あ、そうなの、ま、オレも2ヶ月でもいいっては聞いてたけど、ま、出来れば長く居たかったから、。でも辞めたい時には好きに辞めるけどさ、。』
『そっすね、んで、どうせ、「お前らの替わりなんかいくらでもいる〜!」って、現場の奴言ってっし』
『あ、そうそう、使えんくせにイビってくる社員にムカついて、もめちゃって、「使えん自分手一杯だからって八つ当たりしてんじゃね〜よ」ってオレ怒鳴っちゃって、、。奴アタマに血のぼって向かって来て、取っ組み合いになりそうだったオレも、。』
『え〜加賀さん、マジすか?首っすよ、普通、ク、ビ!』
『おお〜、なんか、言ってみたいですね〜そういうの、ハハは。』
『いや、そこのチーフがたまたま近くで一部始終見てて、「この紋所が目に入らぬか」みたいにきて、、』
『で?』
『あ、クビかな?って思ってたら、「加賀さん、申し訳ない、ここは私に免じてはくれませんか?手が足りていないのは私の責任です。」って。』
『おお〜〜、』『ほえ〜〜。やるな〜』
『「でも、社員の奴ら、いくらでも替わり居るって言ってラッシャったですし〜、今すぐオレ帰りますから。んじゃ。」って言っちゃった。そしたら、「一生懸命な加賀さんの仕事にはいつも感謝しています。私から社員一人一人に必ずキツく言い付けますので。」「じゃ、30分休憩して来ますが〜。それでもいいんですか?」「わかりました、その間私がこの工程に入ります。ゆっくり休んで戻って来てください。お願いします。」、、だって。』
『え〜、めっちゃ良い奴っすね〜。』
『でも、こっちもですけど〜、チーフくらいになるといい人いますよね〜。』うんうん、そうそう。
『で、阿部くん、オレんとこだからさ、そのチーフだったら、、。いや、でも上には逆らえないか、でも、、。』
『いや、加賀さん甘いっすよ、チーフって言ったって、現場仕切ってるだけっすから。』『うん、ボクんとこもチーフいい人ですけど、何人か2ヶ月のこと言ってて、「ほんとにごめんなオレらにはどうしようもないんだ」って言ってましたから。その人達もやっぱ、お国に帰ったみたいですよ〜。』
『そっか〜〜、、、、、。じゃ、絶対、言わない。ッてことで。どうかな?』『そうっすねゼッて〜に。』『そうそう、辞めたい時は直前になって、身体壊したとか、実家で父が、とか言って〜。ハハハ〜』
『ムカつきましたから、でも良くない?』『、ぷっ!そりゃ、加賀さんの場合は、ですよね〜、、(笑)』『いいかい、君には、善き志がある。あっちだって、他人を都合良く使ってんだ、オレ達もそうしようぜ。そんなの罪じゃないよ。一緒に胸はッて頑張ろうぜ!!』
『そうっすよ!』『そうそう。』
『あ、ありがとうございます。そうしてみます。ハハ、、。』
・・・
月曜日、工場内の温度計は38度、湿度は70%以上をさしている。研修のキツさなんてほんの序の口だった。その日の昼休憩。結局彼は自分から言い出していた。
たまたま休憩から早めに詰め所に戻ったオレと出くわす。
『加賀さん、いろいろお世話になりましたが、でも、、。市民を守る警察官になろうって自分には、小さな嘘もつけません。』
『おい、何だよ、言うなって、言ったじゃん、どうしたんだよ、、。?』
『本当に自分、なあ〜んにも、わかってませんでした、派遣の現状。ここへ来て、加賀さん達に出会って、いろいろ聞けて本当に良かったです。二晩も考えました。後悔はありません。』
『チーフ、なんとかなんないんですか、聞かなかった事には出来ないんですか?』
『、、、すいません、。聞いてしまった以上は、、これも、、現場を任された者の責任です、、。』
『うあ〜、なんでお前みたいなまじめな奴が、馬鹿見てんだよ、こんな良い奴、。おい、なんとか言えよ。いいか、派遣会社と、派遣先の会社の責任だろ、契約のミス、っていうか詐欺だろこんなの!!俺たちがなんか悪いってえのか〜?!工場の人事から直接、派遣会社に文句言って責任取らせろってんだ、、。言う相手はオレらじゃないでしょ〜?ってんだよ!そうだろ〜?!』
振り向きチーフに向かって言い放つも、阿部くんは、、
『わかってます、わかっていますが、たとえ小さなことからでも、嘘は大きくなります。ボクは汚職警官なんかには絶対になりたくありません。ですから、今から些細な事って言って嘘なんてついてられません。ダイジョウブです。ありがとうございます。本当にありがとうございました。』
『馬鹿か?それとこれと一緒にするか〜?』
振り返り再度、睨みつけた、。
チーフは肩をがっくり落として
『本当に力及ばず、悔しい限りです。』
オレも視線を落とす、、。クソ!!なんだよ、どいつもこいつも生真面目かって!?
でも、こいつ、、。「阿部 誠」、お前ッてやつは。

 なんって晴れやかな笑顔だろう。もう、こいつ。ほんっとバッカだな〜。なんなんだよこんなとこで敬礼なんかしやがって。目に涙、光ってるし。
不覚、この姿に、おれの目頭まであつくなってしまった。


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